日頃のレッスンでは
生徒さんがより良い音を出せるように
基礎から訓練することを心がけています。
子供でもそうですが、いくら同じように教えても手や腕に力が入ってしまってなかなか思うように音が出ない子もいますし、不思議とはじめからきれいな音が出る子もいます。
私も運動神経が悪いので他の楽器なんかを初めて持つと決まって全く音が出ません。
この間からなかなか楽器の響いたいい音がでない生徒さんがいて、色々試していましたが、
前回のレッスンで突然響いたきれいな音になっていて、びっくりしたということがありました。
話を聞いてみたら、なんと、お風呂場で練習してみたというのです。
なるほど、最近のお風呂場は24時間換気で乾燥しているし、
壁も床もタイルでよく響きます。
そこで音が響くという体験とともに響きを意識できたんでしょう。
海外留学した人がよく、ヨーロッパに行って弾くと自分の楽器がよく響いて違う楽器のようだと言っているのを聞きます。
きっとそれと同じ現象でしょう。
大人の生徒さんというのはこのように、自分でも様々に工夫して別の方向からの解決策を見つけてくれるので、教える側としてもなるほど、と思わされることが多いです。
あとは、その前のレッスンで楽器が響くというのはこういう音という体験のために
私の楽器を少し弾いてもらいました。
そのときによく鳴るように調整された楽器の音を体で感じられたというのも一因かなとも思いました。
音というのはその人のそれまでの音の経験から作り出されるものなので、
いい音に触れる経験をするのもいい音を出すのには欠かせない体験です。
その響いた音が自分の体にどんなふうに作用するのか注意深く聴いてその響きを別の場所でも再現できるようになっていきます。
みなさんも是非いい音と直接触れ合える体験をたくさんしていい音を奏でていきましょう。
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